水戸市において、「行方不明の相続人がいる中で相続を完了」するまでを事例形式で3つご紹介します。
※実際の関係者や物件が特定できないように、複数の事実を改変・翻案してまとめた内容になります。
1. 水戸市にお住まいのS様が、「不在者財産管理人を選任して相続した実家を売却した事例」
お客様の相談内容
相続対象物件 概要
| 所在地 | 水戸市見和 | 種別 | 一戸建て |
|---|---|---|---|
| 建物面積 | 96.47m² | 土地面積 | 182.45m² |
| 築年数 | 47年 | 買取価格 | 400万円 |
| 間取り | 4DK | その他 | ― |
相談にいらしたお客様のプロフィール
お客様は水戸市にお住まいの60代S様です。
S様はご両親を相次いで亡くされ、ご実家である水戸市見和の一戸建てを相続することになりました。
ところが、相続手続きを進めるにあたり大きな問題が浮上しました。
S様には弟様がいらっしゃるのですが、その弟様とは10数年前に親族間のいさかいがきっかけで疎遠となり、それ以来一度も連絡が取れていませんでした。
最後に住んでいたとされる住所を訪ねても既に転居しており、共通の知人を通じても消息は掴めない状況でした。
S様ご自身も定年退職を控え、これを機にご実家を整理したいとお考えでしたが、「弟が見つからなければ、いつまで経っても相続も売却も進まないのではないか」と途方に暮れていらっしゃいました。
ご実家は築年数も古く、誰も住まないまま放置していると傷みが進むことも気がかりで、まずは現在の物件価値を知るために不動産会社へ相談することにされました。
解決したいトラブル・課題
課題
弟が10数年以上行方不明で連絡が取れない中、相続手続きと実家の売却をどのように進めればよいか分からない。
不動産会社の探し方・選び方
S様は水戸市内の不動産会社にいくつか問い合わせ、その中で
- 様々な相続トラブルの解決実績があった
- 連携している司法書士・弁護士のサポート体制が整っていた
上記2点で安心して任せられると感じたコマツザキに相談することにしました。
S様の「トラブル・課題」の解決方法
S様のように、長年連絡が取れない相続人がいる場合、その方を抜きにして遺産分割協議を行うことはできません。たとえ事実上音信不通であっても、法律上は相続人としての権利を持っているためです。
弊社は、S様のご依頼を受け、連携する司法書士が戸籍附票による所在調査を試みましたが、現住所からも既に転居していて見つけられなかったため、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てる方法をご提案しました。
1.不在者財産管理人とは
不在者財産管理人とは、従来の住所や居所を去り、容易に戻る見込みのない方(=不在者)の財産を、家庭裁判所が選任した管理人が本人に代わって管理・処分するための制度です。
民法第25条第1項に基づくもので、不在者の利害関係人(共同相続人など)が家庭裁判所に申立てを行うことで選任されます。
選任された管理人は、不在者の財産を保全するとともに、家庭裁判所の「権限外行為許可」を得ることで、遺産分割協議への参加や不動産の売却といった処分行為にも関与することができます。
これにより、行方不明の相続人がいても、残された相続人だけで手続きを止めずに進めることが可能になります。
申立先は不在者の従来の住所地を管轄する家庭裁判所(S様のケースは水戸家庭裁判所)で、選任までに概ね1〜3ヶ月程度かかります。
管理人には親族のほか、弁護士や司法書士が選ばれることが多く、その報酬は不在者の財産から支払われるのが一般的です。
2.「結果」
S様は弊社と連携する司法書士のサポートを受け、水戸家庭裁判所に対して不在者財産管理人の選任申立てを行いました。
選任された管理人(弁護士)が弟様に代わって遺産分割協議に参加し、法定相続分に応じた内容で協議が成立しました。
協議成立後、家庭裁判所の権限外行為許可を得て不動産売却についての許可を得たうえで、S様が「一番手間がかからない方法で売却したい」とおっしゃっていたので、弊社による買取という形で実家を売却されました。
S様は「弟が見つからないことで途方に暮れていましたが、コマツザキさんにお願いしたことで売却することができました。」と安堵されていました。
2. 水戸市にお住まいのT様が、「20年以上音信不通の兄の失踪宣告を行い、相続した空き家の実家を買取で売却した事例」
お客様の相談内容
相続対象物件 概要
| 所在地 | 水戸市河和田町 | 種別 | 一戸建て |
|---|---|---|---|
| 建物面積 | 96.32m² | 土地面積 | 198.67m² |
| 築年数 | 52年 | 買取価格 | 260万円 |
| 間取り | 4DK | その他 | ― |
相談にいらしたお客様のプロフィール
お客様は水戸市にお住まいの70代T様です。
約8年前に施設に入所されていたお母様が亡くなられたことで相続が発生しました。
T様はマイホームをお持ちで、多忙ということもあり、ご実家は誰も住まないまま8年が経過し、庭木は伸び放題、雨どいの破損や外壁の傷みも目立つようになってきました。
近隣の方からも遠回しに管理について声をかけられるようになり、T様は「これ以上放置するわけにはいかない」と売却を決意されました。
相続人はT様とお兄様の2人なのですが、そのお兄様が20年以上前に家族と疎遠になって以来、一切連絡が取れていない状態でした。最後に消息を聞いたのも20年近く前で、生死すら確認できない状況です。
T様は「兄が見つからないと話が進まないが、もう20年も連絡がない。どうすれば良いのか」と悩み、まずはご実家の価値を確認するために不動産会社へ相談されました。
解決したいトラブル・課題
課題
兄が20年以上音信不通で生死も不明な中、放置していた空き家を売却したいが、相続手続きをどう進めればよいか分からない。
不動産会社の探し方・選び方
T様は水戸市内および近郊の不動産会社を比較検討し、その中で
- 空き家や老朽化した物件の買取実績が豊富だった
- 複雑な相続事案にも対応できる専門家ネットワークがあった
上記2点で信頼できると感じたコマツザキに相談することにしました。
T様の「トラブル・課題」の解決方法
T様のように、20年以上前から音信不通で生死も不明な相続人がいる場合には、「失踪宣告」という制度を活用する方法があります。
弊社では司法書士・弁護士と連携し、T様にこの制度をご案内いたしました。
1.失踪宣告とは
失踪宣告とは、生死不明の状態が一定期間続いた方について、家庭裁判所が法律上「死亡したもの」とみなす制度です。
失踪宣告がなされると、その方は法律上死亡したものとみなされ、相続が開始したり、配偶者との婚姻関係が終了したりする効果が生じます。
失踪宣告には大きく分けて2種類あります。
【普通失踪】
生死不明の状態が7年間継続した場合に申立てができる類型で、本件のように長年音信不通の親族について用いられます。7年間の期間満了時点で死亡したものとみなされます。
【特別失踪(危難失踪)】
戦争・船舶の沈没・震災など、生命の危険を伴う事故に遭遇した方が、危難が去った後1年間生死不明の場合に申立てできる類型です。危難が去った時点で死亡したものとみなされます。
失踪宣告の申立ては、不在者の従来の住所地を管轄する家庭裁判所(本件では水戸家庭裁判所)に対して行います。申立てから審判確定まで、官報や裁判所掲示板での公示催告期間を含めて通常6ヶ月〜1年程度を要します。
2.「結果」
T様は弊社と連携する司法書士のサポートのもと、水戸家庭裁判所に失踪宣告の申立てを行いました。
所定の公示催告期間を経て失踪宣告の審判が確定し、お兄様は法律上死亡したものとみなされる結果となりました。
お兄様にはお子様(代襲相続人となる方)がいらっしゃらなかったため、相続人はT様お一人となり、単独で相続手続きを完了させることができました。
その後、T様から「実家もボロボロで手入れもしていない状況で、仲介では売れないだろうから買取ってもらうことは可能か」というご質問があったため、仲介・買取の両方を提示したうえでT様のご希望に合った弊社による買取という形でご実家を売却されました。
T様は「こんな状態の実家でも買取ってもらえて感謝しています。兄のこともようやく一区切りつけられた」とすっきりされたお顔をされていました。
3. 水戸市にお住まいのN様が、「行方不明の妹を専門家の所在調査で見つけ出し、相続した土地を売却した事例」
お客様の相談内容
売却物件 概要
| 所在地 | 水戸市渡里町 | 種別 | 土地 |
|---|---|---|---|
| 土地面積 | 247.93m² | 成約価格 | 750万円 |
| その他 | ― | ― | ― |
相談にいらしたお客様のプロフィール
お客様は水戸市にお住まいの50代N様です。
N様はお父様を昨年亡くされ、水戸市渡里町にある約75坪の土地を相続することになりました。
この土地はもともとお父様が家庭菜園として使われていた畑で、現在は更地の状態となっています。
お母様はすでに他界されているため、相続人はN様と妹様のお二人です。
ところが、その妹様は約10年前にご家庭の事情で家族と疎遠になり、当時の連絡先(携帯電話・メールアドレス)も使われなくなっていました。
N様はSNSや共通の知人を通じて何度か探そうとされたものの、手がかりを得ることができませんでした。
相続された土地は、N様ご自身では活用予定がなく売却したいというお考えでしたが、「妹に何の連絡もせず勝手に手続きを進めるのは気が引ける。できれば直接話をして、納得してもらった上で売却したい」というお気持ちも強く持っていらっしゃいました。
まずは土地の価値を把握したうえで、妹様への連絡方法も併せて相談したいと、不動産会社の門を叩かれました。
解決したいトラブル・課題
課題
10年間連絡が取れない妹を、可能であれば家庭裁判所の手続きに頼らず見つけ出し、話し合いをしたうえで、相続した土地を売却したい。
不動産会社の探し方・選び方
N様は水戸市内の不動産会社を比較され、その中で
- 相続専門ページがあり、専門性が高く感じられた
- 司法書士・弁護士との連携体制が整っており、自分の問題も解決してくれそうだった
上記2点が決め手となり、コマツザキに相談することにしました。
N様の「トラブル・課題」の解決方法
N様のケースでは、まずは家庭裁判所への申立て(不在者財産管理人や失踪宣告)に進む前に、専門家による所在調査で妹様の現住所を特定することが可能かを試みる方針を取り、弊社と連携する司法書士に依頼することをご提案しました。
N様には、所在調査の方法についてご説明しました。
1.戸籍の附票による所在調査
行方不明とはいえ、住民票や戸籍を移していれば「戸籍の附票」という書類に住所の履歴が記録されています。戸籍の附票とは、本籍地の市区町村が、その戸籍に記載されている方の住所の移り変わりを記録した書類です。
【戸籍の附票で分かること】
- 現在の住民票上の住所
- 過去にどこに住んでいたかの住所変更の履歴
- 住民票の異動日
【取得できる人】
原則として本人やその配偶者・直系の親族に限られますが、相続手続きなど正当な理由がある場合は、兄弟姉妹も取得が可能です。
また、司法書士や弁護士は「職務上請求」という制度を用いて、業務上必要な範囲で附票を取得することができます。
【調査の流れ】
①司法書士が職務上請求により妹様の戸籍の附票を取得
②現住所が判明したら、まずは書面(手紙)でご連絡し、相続の発生と協議への参加をお願いする
③本人から返信や連絡があれば、改めて遺産分割協議へ進む
④それでも連絡が取れない場合は、改めて不在者財産管理人選任など家庭裁判所の手続きを検討
2.「結果」
N様のご依頼を受け、弊社と連携する司法書士が職務上請求により妹様の戸籍の附票を取得したところ、関東圏内の別の県にお住まいであることが判明しました。
司法書士から丁寧な内容のお手紙をお送りしたところ、後日妹様から連絡があり、お父様が亡くなられたことを初めて知ったとのことでした。
妹様は「姉の希望に合わせ、土地の売却に同意する」とのご意向で、後日対面での話し合いを経て遺産分割協議が円満に成立しました。
その後、売却活動を開始し、約6ヶ月で無事に売買契約・引き渡しまで完了することができました。
N様は「妹と10年ぶりに連絡が取れて、わだかまりも少し和らいだ。土地も納得のいく形で売れて、本当に頼んでよかった」と、相続手続きを通じて家族のつながりを取り戻されたことを喜んでいらっしゃいました。
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